日本文化とハロウィンの意外な共通点
“盆と正月が一緒に来たようだ”
準備でせわしなく働きまわる様子や、嬉しい出来事が重なることをたとえたことわざです。
日本の二大年中行事、盆と正月。
前々から準備をして当日を迎えるため、忙しさは並大抵のものではありませんでした。
しかし、新たな気持ちで新年を迎え、祖先の霊を供養し、ふだんは別々に暮らす家族が一堂に会する特別なものです。
喜びに満ちた時期であることが、このことわざの比喩を支えています。
さて、ハロウィンの起源は、実は冒頭のことわざの比喩に似ています。
ハロウィンの起源は、古代ケルトのドゥルイド教で行われていたサウィン祭。
古代ケルトの暦では11月1日が新年とされ、その前日の大晦日にあたる10月31日の夜に先祖の霊が戻ると信じられていましたーー。
まさに「盆と正月」
…ではなく「盆と大晦日が一緒に来た」になってしまいますが、起源となる行事の内容は似ていると言えます。
仮装、パーティー、料理。私たちはさまざまな楽しみ方でハロウィンに熱狂します。
それは、先ほど紹介したようなハロウィンと日本文化との共通点を無意識のうちに感じ取っているからかもしれません。
「Trick or treat. 」ハロウィンのセリフと言えば、まっさきにこの言葉を思い出す人は少なくないのではないでしょうか?
カボチャをくりぬいた中にローソクを立てたランタン、魔女やお化けに仮装した子供たちが近所を1軒ずつ訪ねては「Trick or treat. 」と唱え、お菓子をもらう🍭
日本でも定着しつつあるハロウィンの楽しみ方の1つです。
これと似た日本の伝統行事があるので、北から順番にいくつかご紹介します。
①北海道では、七夕に行われる「ローソクもらい」。
子供たちが浴衣を着て提灯を持ち、夕暮れ時から夜にかけて近所の家々を回って歌を歌い、ローソクを貰い歩くという行事です。
②岩手県久慈市では、毎年1月15日の小正月の夜に行われる「ホロロン」。
子どもたちが戸を叩く音をまねた「ホロロン」、という掛け声をかけて、近所の家を訪れてお菓子やお小遣いをもらいます。
③広島県では、旧暦10月の亥の日に行われる「亥の子祭り」。
子どもたちが近所を巡って、亥の子のための歌を歌いながら、石に繋いだ縄を引き、石を上下させて地面をつきます。
子供たちが石をつくとその家ではお餅やお菓子、お小遣いなどをふるまいます。
それぞれ違いはあるものの、可愛らしい子どもたちが近所を練り歩いて何かをもらい歩く点が似ていますよね。
ハロウィン、ローソクもらい、ホロロン、亥の子祭り。
服装は、魔女か浴衣か。
手には、カボチャのランタンか提灯か石か。
もらうものは、お菓子かローソクか。
唱えるのは、Trick or treat.か歌かホロロンか…。
日本各地で年中行事として親しまれてきた文化とハロウィンには共通する点がいくつかあります。
今回取り上げたものはごく一部で、まだ私たちが知らない何かが眠っているかも。
今年はいつもと少し趣向を変えて、ハロウィンと似た日本の行事を探してみるのもいいですね🎃
もし見つけたら、1年の間に日本各地でハロウィンと日本文化に何度も出会えることに✨
素敵なハロウィンをお過ごしください😊